「SHOP99」流マーケティング

 ちょっと前になるが、unizouの家の近くに「SHOP99(ショップきゅーきゅー)」がOPENした(http://www.shop99.co.jp)。
 店に1歩入った途端、聞こえてくるテーマソングが耳に付いてしまっている人も少なくないはずだ。
 今日も夕方お店の前を通ったが、店頭には自転車が並び、盛況だ!
 お店の名前通り、売っている商品はほとんど99円(税込み104円)。
 そして24時間営業。
 と、ここまでは、ダイソーに代表される100円ショップにコンビニの要素を加えたようなお店にみえるが、一番の違いは、生鮮食品を取扱っていることだろう。野菜・肉・魚が、夜中に買えて、しかも99円。よってお店の雰囲気は、生活雑貨が主体の100円ショップというよりも、西友・サミットと言ったスーパーマーケットの色合いが強い。
 企業経営理論的に言えば、「SHOP99」の製品ミックスは、コンビニと比較して、製品ラインの幅が広く、製品アイテムも深いということになろう。スーパーマーケットと比較すると、ラインの幅は互角だが、製品アイテムは浅いというところか。
 そして、「SHOP99」の新店舗出店計画が、敢えて、コンビニや一般のスーパーマーケットの近くに出店し、店のカラーの違いを直接顧客にアピールする手法をとっているというから面白い。
 99円だから、当然生鮮食品などは小分けになる。これがまた、無駄のない使いきりタイプとして、独身世帯に受けているようだ。一人暮しの場合、丸ごと1コのキャベツを使いきるのはなかなか大変だ。またキャベツだけでなく色々な野菜を少しずつ、しかもリーズナブルに欲しいというニーズもあろう。
 また、普段、底値買いができる主婦の方にとっては、お砂糖1キロ78円なんていう特売も朝から買いにいったりできるけれど、OLさんには到底無理。そういった、スーパーの特売品には、かなわないが、普段スーパーで売っている価格(148円)より、断然99円はお得!という買得感も「SHOP99」の魅力だ。
 流通革命・小売革命と言われて久しい。
 ニート、フリーター、パラサイトシングル、負け犬、認知症、老人孤独死など、現代生活を表する言葉はたくさんあるが、現代の生活スタイルの多様化、生活時間の多様化を背景に、そこに市場を見つけ、「SHOP99」は確実に伸びてきている。
 飽和状態と思われたセルフ販売方式の小売業の世界にも、十分に戦える市場を見出した「SHOP99」に感心している。