「賢者の石」な相談
残業していると、後輩のH君が、「仕事のことじゃないんですけど、ちょっと話を聞いてもらえますか。」とやってきた。H君は、かつて一緒に仕事をしたことがある後輩で、芯の通ったしっかり者、今でもなお行き来がある。
「ご飯でも食べながらでどう?」ってことで、仕事を切り上げた。
話を聞いてみると、お付き合いしているYさんとのことだった。
unizouは、けっして恋愛相談を受けるようなキャラではないのだが、意外と人の気持ちが分かるほうらしく、たまに相談を受けることがある。
H君の話によると(彼の名誉のため詳細は省略する)、些細なことをきっかけにYさんにちょっと言い過ぎてしまったらしい。
しかし、よくよく聞いてみると、お互いを想っているがゆえの行き違いであることが明白であった。
だから、まず誤解を解いて、お互いを想っていることがゆえに起きてしまったのだと言うことをYさんに伝え、これからは2つの想いの方向を間違えないように心がけるようアドバイスした。
H君自身も人に話したことで、自分自身の想いも整理できたようだった。
ふと、オー・ヘンリーの「賢者の石」の物語を思い出した。
貧しい夫婦が、結婚して初めて迎えるクリスマス。
本当に貧しくてプレゼントが買えない二人が、
思い悩んだ挙句に、
妻は、自分の美しい髪の毛を、夫は祖父からもらった大事な懐中時計をなげうって、
妻は時計の鎖を、夫は髪飾りを買う。
お互いに贈ったものはすれ違うが、心通ったプレゼント。
というお話。
今晩のH君とYさんのようだ。
レストランの帰り道、自転車をこぐunizouの心は、ポカポカ、とても暖かだった。