respect(尊敬)

 TBS系列で夜放送されている「世界ウルルン滞在記」を見た。
 歌手のソニンがスペインとフランス国境にまたがってピレネー山脈北西部に位置するバスク地方へ行き、世界綱引選手権にスペイン代表として出場するのはバスクのクラブチームからの選抜選手なのだが、その一つのクラブチームと一緒に生活し、トレーニングしてきたという話。番組の最後には、一緒にトレーニングしたクラブチームの仲間がやってきて再会を喜ぶ。
 unizouはその話にも感動したのだが、「人間こうあるべき」と思わせてくれたシーンがあった。

 ソニンがいたクラブチームが目標としているチームが、世界綱引選手権で何度も優勝している大分コスモレディースと言うチームだそうだ。
 その大分コスモレディースが番組に出演し、綱引きの対戦をした。結局2回ともソニンのいたクラブチームが負けたのだが、大分コスモレディースの女性が、こう言ったのである。
 「私たちは、このマットで練習し慣れているが、以前からあなた方のそのパワーを尊敬しています。」と・・・。
 そして、同じようにソニンがいたクラブチームの女性も、「あなた方を尊敬しています。」と・・・。

 きっと、彼女たちは、綱引きと言う競技を通じてお互いを知り尽くしているのだろう。
 「たかが綱引き」ということではなく、どんな競技であれ、どんな研究であれ、とことんそのことを追求していくと、その苦労や困難が身に沁みていて、お互いのことが理解し合えるのだろう。
 そして、勝負を超越して、お互いを尊敬し合える状況になる。

 今の日本に足りないのは、彼女たちが持っている「人を尊敬する。」ということではないかと、unizouはいつも感じている。
 まじめに努力した人を「尊敬」する気持ちがなくて、この国はやっていけるのだろうか?
 勤勉にやっていれば、「まじめにやるより要領よくやるほうがいいのよ」とか、正義を唱えれば「いいかっこして!」とか言う人たちが、この国にいかに多いことか・・・。
 また、勤勉、正義感のある人は、ユーモアがないように言われたりする。

 「楽しければいい。」という人生でなく、どんな状況でも困難を乗り越え、人を慈しむような人たちを尊敬しながら。そしてその人たちの心の襞を感じながら生きていきたい。
 人として生まれた喜びであり、そのことに感謝したい気持になる。