宝塚観劇

 今日、10数年ぶりに宝塚歌劇を鑑賞した。
 というのも、高校の同級生がタカラジェンヌとして舞台にでていたこともあって、以前は結構観劇していた。
 あれは、unizouが高校2年生の春を迎えてしばらくした頃、最近隣りのクラスのAさんを見かけないなぁと思っていたら、彼女が宝塚音楽学校へ転校したと聞いた。とてもショックだった。その頃のunizouは、将来はもちろん、今自分が何をしたいかすら、ろくに考えることもせず、気が付くこともなく、毎日のほほんとして、ただ与えられる教材を勉強するだけの日々だった。それなのに、同い年で既に確実に自分の夢を持っていて、その夢を追い始め、更にそのスタート地点に立った人がいる。とても焦った。
 そして数年後、風のたよりに彼女が舞台に立っていると聞いた。調べてみると、宝塚音楽学校での2年間で、舞台人として基礎をひと通り学び、卒業とともに歌劇団に入団、舞台人として1歩を踏み出すのだという。歌劇団に入団すると、花・月・雪・星の4組(当時)のいずれかに配属され、そこで同期生はもとより、先輩・後輩らとともに切磋琢磨し合い、実力をつけていくのだそうだ。入団後も定期的に試験があり、そこでの成績順がプログラム登載の名前順になったり、トップスターへの道の要件になったりするそうで、宝塚というと、一見夢のような非現実的な世界と思っていただけに、その裏側は、人気と実力がものをいう超現実的な厳しい社会だと知り驚いた。
 せっかくの機会、誘いあって高校の同級生らと観劇した。まだ、入団まもないこともあって、プログラムの顔写真は小さく、舞台上でも群衆の中から探し出すのが大変だった。プログラムで出番を探し、舞台で見つけては、暗闇の中、友人と顔を見合わせ、「出てる出てる。」などと小さく指差したものだった。
 そんな彼女も入団9年目くらいに退団。新人公演(約1ヶ月の本公演のうち、1回だけ入団7年目以下のメンバーだけで本公演と同じ演目を上演し、ここでの配役が将来のスター候補生を生み出す。)で、2、3番手の役もついていただけに残念だったが、彼女なりの理由があったのだろう。時間が合えば、東京宝塚劇場に足を運んで観劇し、既に社会人(タカラジェンヌ)として頑張っている姿に励まされていた分、寂しくそしてもったいない気もした。
 今日は、本当に久しぶりの観劇だった。東京宝塚劇場は、建替えですっかり様変わりしていたが、変わらないものもあった。お芝居とショーの2本仕立ての構成はそのままだったし、ショーでのラインダンスや大階段も健在だった。さすがに、当時若手だった人達が、スターとしてショーの最後に羽根を背負って大階段を降りてくるのには、さすがに月日の流れを感じずにはいられなかったが…。unizouも年を取ったなぁ。
 とても懐かしく、あっという間に時間は過ぎた。いい休日だった。