中小企業な農業Ⅱ

 一昨日、毎日の道すがら生産緑地のことを考えていてブログに書いたが、土地については、持っていない僻みかどうしても気になっていることが多い。
 分家住宅についてもそうだ。
 市街化調整区域 には、原則として建物を建てることはできないことになっているが、分家住宅や農家住宅のように一定の要件を満たせば例外的に建物を建てることができる場合がある。
 もともと自分の土地をどのように使おうとも自由なのに、社会全体の公共性(乱開発)を考慮して私有財産の使用用途に規制を加えている訳だから、所有者にしてみれば、「どのように使おうと構わないだろ。」というのは当然の話かもしれない。
 unizouも分家住宅のように、市街化調整区域の土地に親(この世帯を本家世帯)が息子(この世帯を分家世帯)に、一定の条件を満たせば、建物を建築させることができても構わないとは思う。

  • 市街化区域と調整区域の線引きがされた時(昭和45年11月27日。これから後は略して「線引きの日」といいます。)以前から、ずっと本家世帯が所有している土地であること。
  • 既存の集落かその周辺の土地であること。
  • 本家世帯、分家世帯が他に住宅の建築ができる土地を持っていないこと。
  • 結婚、家族の増加、Uターンなど住宅の建築が必要な理由があること。

ただし、土地の取得が線引きより後の場合でも、建築予定地が指定既存集落内かその周辺であれば、建築できる場合がある。

 しかし、社会では、分家住宅の形を一旦とって、その後第三者に売却してしまうケースもかなり見られる。
 そして、結局違法な建築物になり、金融機関が住宅ローンをつけていて不良債権化しても、処分できない建物になり、居住者は夜逃げし、建物は幽霊屋敷になって朽ち果てていく。

 公共性(乱開発の防止)を考慮した施策は、何の手も打てないまま、特にバブル崩壊後は市街化調整区域にそういった幽霊屋敷をたくさん作っている。

 建物の建築許可を行っているのは、市町村の建築指導課(名称は多少市町村によって違うかもしれないが)の職員だが、きっと、年間何百、何千件もの申請を少ない人数で対応しているのだろう。
 そして、違法な建築物への対応は後手になり、改善命令や撤去命令もままならない状況に至ってしまう。幽霊屋敷の存在もやむを得ないことになるのだろうか。
 違法な建物になると知りながら売買する不動産業者の存在も問題である。
 いつも思うのだが、許認可と取り締まりのどちらを優先すべきなのだろう。
 法の趣旨「都市の健全な発展と秩序ある整備」に反した建て方は、将来の私たちの生活に必ずしっぺ返しをするだろう。
 中小企業な農家の皆さんも、第三者に売却する予定なのに、分家住宅として申請し許可を取るようなことはしないで欲しい。
 結局はそういったことが、農業をだめにしてしまう。
 工夫をすれば、本来の農業で十分商売していけるのだから・・・。