書類がない!

 今日は朝から、「ある書類」が見当たらないとかで大変な騒ぎだった。前日の晩に、「紛失したらしい!?」との第一報は知らされていたのだが、捜索は明日の朝一番からにしようということになっていた。
 紛失中の書類というのは、金庫に保管されているとずーっと思われていたもので、誰もがそれを疑っていなかった。しかし、いざその書類を使おうとしたら、金庫にない…、さぁ大変というのがそのいきさつ。
 もちろん金庫内の書類だから、保管物の出入りについては、保管記録簿にその受払いを記録するのが原則。その書類についても記載されていた。
 しかし落とし穴があった。記録を追うと、最初に金庫への預入れ事績、その後一度の払い出し事績、ここまでは完璧。でもその払い出し後どうなったかが分からないのだ。確かに再預入れが必要でなければ、再度保管管理簿に記載される必要はない。でも、いざその書類が「紛失!?」」ってことになると、再預入れが不要だったのか、それとも必要だったのに預入れを失念してしまったのかまったく分からないのだ。
 捜索箇所は、事務室、事務室隣接の書庫そして地下倉庫に及んだ。他の仕事は、「とりあえずさておけ!」との命令のもと、約10名の人員が捜索に投入された。事務室を探している間は、それでもどっかに紛れ込んでいるんだろうと捜索隊もどこか楽観的だった。しかし、30分、1時間と時間が経過するうちに徐々に焦りがでてきた。見つからないままに、事務室は打切り、隣接書庫へ。隣接書庫もダメ。で地下倉庫へ。倉庫ともなると、捜索隊もホコリまみれ、疲労感が増してくる。
 そして、ついにー、あった、あった!倉庫の書架に。保存年限別にしまわれている書類群の中に。全員ホッとしたと同時に、なぜこんなところに?という安堵と疑問が交じり合った表情の捜索隊。何はともあれ、任務から解放されてよかった。
 捜索中、この書類の当時の処理担当者は、現部署の上司と判明!どおりで異常なまでにやっきになっているわけだと一同納得。個人情報保護法の導入で、更なる文書管理の徹底が企業に求められている昨今、普段から、書類の管理の徹底について部下に口うるさく言っているこの上司。それだけに、不覚にも御自らやらかしてしまったバツの悪さったらない。
 この一件で、少なくとも捜索隊10人から、この上司の資質が試されているように思う。世の中、完璧な人はいないわけで、失敗したことをどう処理し、再発防止に努めていくか、その姿勢をどう部下や組織に見せていくか、「上司」としてだけでなく、「ひとりの人間」としての資質がこのような時に試されるのだ。さて、どのように向き合って行くのかな。Unizouは注目している。