「第2希望」の人生〜先輩からのメッセージ〜

 今日会社でめずらしい依頼を受けた。
 それは、会社の公式HP内にある「新規採用案内」のコーナーに「先輩からのメッセージ」と題して、文章を寄せて欲しいというものだった。
 担当者の説明によれば、これまでの経験を踏まえたうえで現在の仕事について後輩へ伝えるような感じで400字程度にまとめてほしいというもの、メッセージとともに執務中の写真も掲載するという。年齢、職種別に8名程度が、文章を寄せるらしい。さぁて何を書こう、困った…。
 「どうして今の職場を選んだか?」と聞かれて、就職活動での面接試験用の答え、例えば、「専門性の高い仕事に魅力を感じて」、「学校で学んだ知識を活かしたい」、「社会の役に立ちたい」などは言えるだろう。しかし、本当にそれが理由かと言われると、社会人となって随分とたった今でも怪しいものだ。しかし、理由はどうあれ、今の仕事を続けられていることからすると、組織に順応し、何らかの使命感を感じながら、日々仕事に取り組めているのだと思う。
 そもそも、仕事もそうだが、人生全て自分の思い通りという人は世の中ごくごくわずかだろう。unizou自身の人生は、自分でいうのもなんだが、まさに「2番目(手)の人生」である。今まで人生で岐路に立ったとき、手に入れたのはみな第2希望だった。どうしてこんなにも「第2希望」なんだろう?と思い悩んだこともある。
 しかし、あるときふと気がついた。「第1希望」を目指したからこそ、「第2希望」を手に入れることができたのだと。もし、「第2希望」を目指していたら、「第2希望」すら手に入れることができなかったのではないかと。しかも、人間は、「第2希望」でもそこそこ楽しくやっていけるものだ。自分の事前情報・知識なんてたいしたことはなく、「第2希望」の中に、新たな魅力や興味を見出していく。だから、けっして第1希望でなくても構わないような気がする。
 今の若者達はどうやって自分の将来を決めようとしているのだろうか?フリーターやニートという言葉が、今の若者世代と=(イコール)の意味で新聞紙面などで使われている。「自分に合った仕事を探すまでの間アルバイトをしている。」とか「自分に合った仕事がない。」という声もよく聞く。親が元気なうちはまだいいが、親が退職ともなれば、そう甘えてはいられない。「生活」という現実に直面するのだから。
 世の中、天職に巡り会えた人はごくわずかだ。けっして1番の仕事につかなきゃいけないというどおりはない。「第2希望」で十分だと思うよ。
 でも会社のHPに「『第2希望』の現職場」なんてメッセージを書いたら、人事課に大目玉くらうな(笑)…。