小粒でもピリリと辛い

 昔、東京近郊の都市にはもちろん、都内でも下町のようなところには、「夫はサラリーマン、妻がこじんまり駄菓子屋を営んでいる」なんて店が結構あった。
 今考えると、「よくやっているな?」、「採算は取れるのかな?」と不思議に思うが、きっと、夫の収入と駄菓子屋の売上は「一緒くた」になっていて、店は赤字でも商品仕入れは可能、商売していられるわけで、最後「店仕舞」するときになって初めて実は店が大変な赤字だったことに気づく、なんて状況だったかもしれない。
 今でも、中小企業といいながら、規模はさまざまで、今の駄菓子屋に毛の生えた程度のものもある。
 消費税導入の時に、中小企業、零細企業の帳簿記帳の負担を軽減するために、消費税免税点の設定し、簡易課税制度導入するなど、制度上中途半端なものになった。今でも、そのことが本当に中小企業を経営する人たちのために良かったのかという疑問を感じざるを得ない。
 企業としては、当然、コスト意識を持つ必要があり、自社の財務状態、経営成績を把握するために財務諸表などを作成する必要がある。当然、日々帳簿も記帳しなけばならない。
 やさしいこと(消費税免税点や簡易課税制度導入などで帳簿を記帳しなくてもいいような結果になる。)を言って、本来企業が企業自身のためになすべきことから遠ざけることで、最後には大きな痛手を負わせ、再起不能の道に迷わせることになったのではないだろうか。
 子どもを育てるように、甘やかすのではなく、しっかりと本来の姿に導いていくことが、小さくてもその特性を生かした息の長い企業を育てることになると思うのだが、いかがなものなのか…?