米領グアムの無差別殺傷事件
身勝手な犯人の蛮行に憤りを感じ、亡くなった杉山利恵さんと祖母の上原和子さんのお二人の無念さも計り知れない。
こういった事件が後を絶たない。
無常を感じる出来事だ。
誰もが、いつ、どこで、どのような災難に見舞われるかわからない。
大体、自分の一生など、誰一人知りえないことなのだと、つくづく思い知らされる。
しかし、残された人は生きなければいけない。
いつも、そう思っていたunizouだが、東日本大震災でご両親、身重の妻がいる息子さん、そして娘さんを亡くした奥田江利子さんが、昨年3月11日の政府追悼式で読んだ遺族代表のことばを聞いて、「人は悲しみを乗り越えて生きなければいけない」と意を強くした。
奥田さんの息子さんは、震災当日に入籍をすることになっていた。
息子さんのお嫁さんになる方には、すでにおなかにお子様がいて、お二人は人生で一番幸せな時を迎えていた。家族の皆様も、お二人の将来に向けて、ささやかな幸せを感じていた。
震災の日も、いつもと変わらない朝を迎えて、変わらず明日が来る、来ないなんて思いもしませんでした
冷たくなった夫にすがって泣き続ける嫁、こんな残酷な思いをさせてしまって本当に申し訳なくて済まなくて、残されたこの子らがふびんでなりません 身重の妻を残して逝った息子の気持ちを思うと、どんなに無念だったか、母が変わらせてもらいたかったです
受けとめがたい現実、やり場のない怒りと悲しみ、そして限りのない絶望
最愛の人が亡くなったと言うのに自分が生きている悲しみ
生きていることがつらい そう思う申し訳ない気持ち 生きていることが何なのか、生きて行くことが何なのかを考えることさえできない日々が続きました
愛する人たちを思う気持ちがある限り私たちの悲しみが消えることはないでしょう 遺族はその悲しみを一生抱いて生きていくしかありません
だから、もっと強くなるしかありません
涙を超えて強くなるしかありません
今、私はこう思うようにしています 子供たちが望む母でいよう これでいいだろうか 「こんなときに両親は何と言うだろう」 そう思うことで亡くした家族と一緒に暮らしている そう感じていたいからです
絶望の中にさす光もありました 息子は私たちに生きる意味を残しました 忘れ形見の初孫が7月に生まれ、元気に育っています その孫の成長が生きる希望になっています
米領グアムの無差別殺傷事件で亡くなった杉山さんにも、小さなお子様がお二人いる。
旦那様は、これからのことを思い途方に暮れていたという。
当事者でない者が、傍から言えることではないが、「悲しみを乗り越えて、ただただ生きてもらいたい」と強く願う。
そして、亡くなったお二人のご冥福を祈っている。