「白い恋人 石屋製菓」で考える生産計画、生産統制

 愚かなことだと、今となって知る身では、誰でもそう思う。
 最近トップニュースとなっている、北海道のお土産「白い恋人」の賞味期限改ざん問題。
 診断士の資格試験の受験科目「運営管理」では、生産管理を習う。
 unizouの通った資格の学校のテキストには、「生産活動の流れは、大きく『設計』、『調達』、『作業』の3つからなる。また、変換プロセスでは、『ヒト(Man)』、『モノ(Material』、『機械・設備(Machine)』、『方法(Method)』の4つのMを合理的に運用することが必要となる)と書かれている。
 「白い恋人」の製造元の石屋製菓は、商品の在庫が膨らんだ場合は賞味期限を最大2カ月延ばして出荷していたという。
 つまり、需要予測・在庫管理をしっかりやっていなかったということなのだろう。
 製品をセールスするために努力することは、目に見える華々しいことである。
 一方、需要予測をし、在庫管理をすることは裏方的な仕事で、目に見えにくく、また、必要な場合は合理的な生産のために「ヒト」の調整をせざるを得ない、嫌な仕事でもある。
 どちらが楽か。売上向上一本やりのほうが、楽に決まっている。
 結果として売れなくても、努力している姿は誰の目にも見えるのだから・・・。
 しかし、面白さはどうかというと・・・。
 これまで、unizouが経験した仕事で言えば、人の気が付きにくい仕事で、地道な仕事のほうが、長い目で見ると面白いことが多い。
 華々しい仕事は、長い目で見ると、飽きが来て、面白さが徐々に薄れていく。そして、何より疲れる仕事である。「前年より少しでも多く」と、発破をかけられて・・・。
 今回の「石屋製菓 白い恋人の賞味期限改ざん問題」は、需要予測が外れると小売価格を変動させることが難しいため、売れ残りリスクを小売価格に転嫁できず、大きな損失を被ってしまう。だからこそ、正確な需要予想をする必要があったのだと思う。
 そういった仕事を任されたら、きっと、最初は大変な仕事かもしれないが、徐々に精度が向上して、面白い仕事になったかもしれない。
 「需要予測なんてできない」と諦めてしまえば、それで終わりだが、きっと長い目で見てあげたら、その道の達人もできただろうと思う。
 セールスの仕事が必要ないというのではない。華々しさを追い求めるのでなく、生産計画・生産統制の土俵に乗ってこそ、また、地道なセールスこそが、王道なのだと思う。
 今回の件は、経営者の仕事は、外向きと内向きの仕事両方をしっかり把握・管理して、調整していくことなのだと改めて考えさせられた。
 組織としては、外向きの仕事も、内向きの仕事もなくてはならない大事な仕事なのだから・・・。