人材育成3

 P.F.ドラッカー教授。
 この名前、企業経営理論で必ず耳にする。
 最近、資格の学校T○Cの企業経営理論のテキストを開くことがなかったので、しばらくご無沙汰していた。
 先日、人材育成について、副支店長から意見を求められ、ペーパーにまとめている過程で久しぶりに出会ってしまった。
 皆さんもご存知のとおり、P.F.ドラッカー教授は、「マネジメントの父」、「経営の第一人者」といわれている。そんな呼び方をされていると、効率性や合理性ばかりを求める、冷淡な人のように思えるが、実際にその名言を読むと、非常に人間的で優しさに包まれている人だという感じがする。
 株式会社ポートエムのホームページ(http://www.portem.co.jp/newpage2.htm)にあるドラッカー名言録というWebサイトをお気に入りにしているのだが、そんな事情から日曜日に久しぶりにアクセスした。
 そこには、(これもまたハプスタンス?)次のようなことが書いてあった。
 「人材は、企業規模とは無関係である」(http://www.portem.co.jp/meigen85.htm
 毎年、優秀な業績を上げている企業は、ほかのそれほどではない企業に比べて、優秀な人材に恵まれているというのは、必ずしも真実ではない。
 魚を釣るように、釣りの上手、下手で多少の差はあっても、確率からみれば、大体、同じような人間がつかまる。
 さらに、いろいろな採用方法を工夫し、さまざまなやり方を講じても、その結果に大差なく、ほぼ同じである。
 だから効率的な企業が抱えている人材も、ほかの企業が擁している人材と、そう大して違わないと考えてよい。
 それでは、一体全体どこが違うのか。それは、人材の使い方が大きく異なるのである。人材を本当に生産的・効率的に転換し得るかどうかに、相違はかかっている。
 だから、効率的な企業でも、真に役立つ人材は、それほど多くは有しておらず、その数は意外に少ないことに十分に気がつく必要がある。「人材」と称することができるのは、どの企業にも、そうたくさんはいない。どこでも比較的少数だという「厳然たる事実」にまず気づくべきである。
 人材不足のせいにするのは、マネジメントの力不足から目をそらさせるためのものであることに気づくべきである。
 こうした点をしっかりと認識すれば、人材は企業の規模と無関係なのであるから、中小企業といえども、そんなに人材不足を嘆く必要はない。
 すべては使う方に依存することをよく承知し、人材不足を憂うのではなく、その使い方に焦点を当てて強みを伸ばすべきだ。
 実は、これ、unizouが日々実感していること。
 部下を使えない上司が周りに多すぎる。
 部下のご機嫌を取ってばかりいて、その方向性も示せず、かと言って叱ることもできないようでは、上司としての給料は払えない。
 人材不足でなく、人材の使い方を心得ている上司がいるかどうかが大事だということ。
 人材育成とは、人材の使い方ができる上司を作ることから始まると・・・。
 自省をしながら、周りの上司を見ている毎日である。