人生の選択

 連日フロリダでキャンプ中の松坂投手、井川投手、松井外野手のニュースが華やかに報じられているが、昨日の日刊スポーツの一面記事には目を疑った。
 かつて年俸5億円を稼ぎ、通算319本塁打を放ち、メジャーも経験した元オリックス中村紀洋内野手(愛称ノリ)が400万円の年俸で中日の育成選手として再出発するというのだ(http://www.nikkansports.com/baseball/p-bb-tp0-20070226-162227.html)。
 「税金払えない、出来高ない」といった大きな活字が、一面記事に踊っていた。
 記事によれば、中村選手は、この15日から10日間かけて受けていた中日の入団テストに合格し、育成選手としての入団が決定したのだそうだが、その契約内容はというと、年俸は昨季2億円の1/50となる400万円、背番号も3ケタ台の「205」番というもの。
 オリックスから退団が決まって以降、今季プレーするチームが決まらぬ中、黙々と練習に取り組んでいた中村選手、ようやくユニホームを着られることにはなったものの、現実は厳しい。
 年俸400万円は、月給に直せば約33万円。
 現在確定申告の真っ只中であるが、18年の所得税は昨季年俸の2億円をベースに40%程度(8000万円)を納めることが予想されているそうで、中村選手も「税金が心配で。蓄えないですよ。何が何でも1軍に上がらないといけない」。とコメントしていたように、単に野球が続けられると笑顔ばかりではいられまい。オリックスから、昨季の2億円からは大幅ダウンであるとはいえ、8000万円の契約を反故にした代償はあまりにも大きい。
 お金の問題ではないといっても、これほどの格差をどう乗り越えるのか。年俸にして億の生活をどう400万円で乗りきるのか。
 この記事を読んで、男が夢を追うことの難しさ、そして人生の選択の難しさについて色々感じた読者は多くいたと思う。中村選手の再出発をunizouを含め、世の働く男が注目している。