教えているほうが教えられる・・・改正会社法を教えて

 診断士試験の科目に経営法務がある。
 以前もブログに書いたが、仕事が終わったあとに若い社員(数人ではあるが・・・)を相手に改正会社法の勉強会をしている。
 これが、診断士試験で勉強したことの再履修のような感じで、ありがたい。
 みんなは、「教えていただいてありがとうございます」という気持かもしれないが、本当は、教えているほうがそう思っているのだから、不思議である。
 でも、世の中のことは大抵がそうなのかもしれないと思うのは、おかしいことだろうか。
 例えば、よく聞くのは、子育てでよく言われる「子育てをしながら、親は成長する。」ということである。
 そんな風に、日常生活でも、人に教えられることがたくさんあるということかもしれない。
 話を戻すと、改正会社法を教えながら、本当に会社法の改正がこれで良かったのかという思いが強い。
 確かに、中小企業の実態に合わせた柔軟な機関設計ができるようになったが、その実態そのものが、本来の株式会社に求められていた姿だったのかと思うからである。
 どうしても、日本の中小企業は“お手盛り”が横行し、株式会社とはいえないような株式会社(有限会社)が跋扈している状況だったように思う。
 社長の暴走を誰も止められず、思うがまま給料を払い、経費を払っているというのが多くの実態なのではないだろうか?
 なぜ、法人成りするかというと、税制で優遇されるからである。
 そして、もし、債権者や税金が払えなくても、役員の責任を問うこともできない、まさに、無責任な会社がたくさんあるのである。
 もちろん、地元に根ざして生きている人たちは、そんな無責任なことはしないと思うが・・・。
 個人で済むようなものまで、株式会社にしてしまう実態があるとしたら、それも、法的な責任が個人に及ばないことが、最大のメリットとして利用されているとしたら、やはり、改正会社法は問題があるように思うのだが・・・。