仏像にハマるvol.7

 このシリーズもちょっと久しぶり。
 昨日、10/3から12/3まで、上野の東京国立博物館で絶賛開催中の「仏像〜一木にこめられた祈り」展に出かけてきた(http://www.tnm.jp/jp/servlet/Con?pageId=A01&processId=02&event_id=3460)。
 雨にもかかわらず、館内は多くの人で溢れていた(最も、一番混雑していたのは上野の森美術館で開催されている「ダリ展」だったが)。
 薄暗い会場内は、仏像にライトがあてられ、お香と木の香りがほんのり漂い、幻想的な雰囲気だった。
 今回全国から集められた仏像は、いずれも一本の木材から像を造り出す一木彫(いちぼくちょう)というのが特徴で、奈良・平安仏から江戸時代の円空(えんくう)・木喰(もくじき)作まで、名品が一堂に会していた。
 目玉は、寺外初公開の滋賀・向源寺(こうげんじ)の国宝十一面観音菩薩立像と奈良・元興寺(がんこうじ)の国宝薬師如来立像。元興寺薬師如来立像は、普段、奈良国立博物館で鑑賞でき、unizouは今回で3回目の対峙となる。
 普段お寺に仏像に会いに行く場合、正面からしか拝むことができないが、こういった企画展の場合、仏像を前後左右から360度観ることができるのが、醍醐味だ。
 背中に穴が開いていれば、お経を納めたのかなぁと想像してみたり、像の回りを一周することで十一面観音像なら十一面を全て拝むことができる(なお、背中の穴は、木造の場合ひび割れを防ぐために開けていると判明)。
 それにしても、一口に一木造といっても、彫り方や木材の種類によって、仏師の技が冴える華麗で繊細な仏像から、木のもつ生命力を生かした質実剛健な像まで、随分と印象が変わるものだ。
 日本文化の象徴でもある「木」。
 身近な素材だが、何百年時を超えてそこにたたずむ仏像たちは、一体一体が本当に神々しかった(仏々しかったというべきかな)。
 展示会の案内文にあったが、木の文化を通して日本人の心や精神性に触れることができた有意義な1日だった。