笑えない写真で、GOOD LUCK

 いよいよ出陣。
 昨日は、受験票に貼る写真を近くのコンビニにある自動証明写真で撮ることにした。
 写真を撮る前に、ずいぶん昔のことになるが、父が、運転免許用の写真を撮りに行ったときのエピソードを思い出してしまった。
 昔の自動証明写真は、写す前に何だかやることが多かったのだが、せっかちな父は、よく説明も読まずに、お金を入れてしまった。お金を入れるとこちらの都合とは関係なく、機械は勝手に動き出してしまい、慌てて説明を読み出した父は、ろくに準備もせずに写真に写ってしまった。その姿が、説明書きを下から見て、目がめがねの上からのぞきこんでいる格好になったものだから、これが、まさしく、「かば」のような顔に写っていた。
 うちに持って帰ってきてから、それをみた家族は大笑い。しばらく、せっかちな父の愚かな行為と写真を見ては、笑いの種にしていた。
 最初は、本人も、一緒に自分の愚かさを笑っていたのだが、そのうちに、いつまでも同じ顔のことを、笑いの種にされて気分を害したのか、いつも置いてある場所から、父の秘密の場所に隠してしまった。しかし、父の立派なところは、その後も運転免許の更新のたびにその写真を使って、結局4枚一組の写真を使い切ったことだった。
 家族は、「警察の人も顔では笑えないけど、その写真を見ては笑いをこらえているだろうね。」と、写真がなくなっても、笑いの種にしていた。今でも、10数年は経つのに、年に数回は話に上る。
 ところが、自分がやる段になって出てきた写真は、4回のシャッターのたびに違う顔写真。どれも、父のことを笑えない写真ばかり・・・。
 しっかり、笑えない写真を貼った受験票をもって、「写真映りの悪い人だ」と思いっきりは笑えない写真で、試験官を笑わせながら、暑い試験の一日を乗り切ろう。
 泣いても笑っても、今日と明日が、次へのステップの終わりであり、始まりなのだから・・・。
 皆さんも、GOOD LUCK.