新年 キャリアターゲット

 数年前、長野支店に勤めていた頃の後輩H君から年賀状が届いた。
 彼は、20代前半の入社数年程度の経験であるが、unizouのいる支社を通り越して、昨年の7月に本店に抜擢され異動した。
 本店で11月にあった会議の折に、H君同様に数年前に本店に抜擢され、unizouと同勤したことのあるもう一人のA君と、三人で昼食を食べた。
 本店は、超エリート集団の集まりで、H君やA君のような年代の人は、雑用のようなことばかりしかしない、時間に追われる毎日になる。
 誰でも、支店や支社にいるときより、直接的に、会社の事業を企画・立案できるような立場になれるのかと思って異動したとしたら、超エリートのための下積み生活に夢破れ、精神的に参ってしまう可能性もあるところである。
 H君は、そのとき、「充実している毎日を送っている。」とは言えない顔で現れた。
 知っている社員も少なく、慣れない仕事と単調な毎日だったのか、unizouの顔を見たとたん、にっこり笑って、ほっとしたという感じだった。
 短い時間ではあったが、昼食を取りながら、彼らが、本店の超エリートのためだけに自分の時間を使うことがないように、いくつかアドバイスをした。

  • unizouの長い経験からすると、好きな人嫌いな人という意味でだけなく、「どうしても合わない人」と仕事をすることがある。そのときは、目の前の仕事を工夫してやりとげることだけに一生懸命になること。そして、人間関係のために、精神的に、そして肉体的に健康を害するような愚かなことにはならないようにすること。
  • 会社にいる時間以外の時間は、自己研鑽に努めること。unizouのいる会社は、研修制度が充実しているが、受講している社員はそれを当然と思いすぎて、有難さがわかっていないし、多くはそれを生かしきれていない。また、そのために、自腹で自己研鑽をしている社員もいない。unizouも20代前半で、そのことに気がついていたら、今の立場であっても、違った道を選んでいたとしても、自分の選んだこと、好きなことで、もっと人の役に立てたことが出来たかもしれない。unizouのように今頃になって気づくのでなく、H君のように若いうちにそのことに気がついて欲しいと・・・。そして、今、unizouは支社の人達には内緒で中小企業診断士の勉強を始めていると・・・。

 H君からの年賀状・・・。

お元気ですか。
12月から私も中小企業診断士の勉強を始めました。
unizouさんは、本年の受検ですか。
私も本年のストレート合格を目指して頑張りますので、どうぞよろしくお願いします。

 ウワァー???失敗した・・・?ライバルを一人増やしてしまった?それも、若くてピチピチで、頭が柔らく、吸収力のある・・・。
 でも、本当は、嬉しくて涙が出てしまうくらい。今の会社にあって、怠惰な毎日を送っている社員がどれくらいいるか。恵まれた環境にありながら、仕事もプライベートも漫然と送っている社員が・・・。
 真剣に人生と向き合っている後輩には、H君にも送ったことがあるが、unizouお気に入りの本をプレゼントするのを趣味にしている。その本の一つに中谷彰宏氏の「こんな上司と働きたい」【PHP文庫】がある。
 その中で、「部下に勉強しろというなら、上司が勉強する。」という項がある。
 できるなら、ポストで尊敬されるのでなく、人間性や仕事に対する姿勢で尊敬されキャリアターゲットになりたいと願うunizouにとって、H君の行動は、まさに、unizouの望んでいたところであり、これからも、unizou自身を磨き続けなければならないと再認識させられた新年になった。