商売の工夫

 最近は、見なく(聴かなく?)なったが、落語、それも新作落語が好きだった。
 もうずいぶん昔の話だが、「どうも、すみませ〜ん。」しか記憶にない人もいるかもしれないが・・・、特に先代の林家三平師匠の落語は面白かった。

 今すぐに思い出す話を一つ。
 あるところにラーメン屋があったが、その右隣に同じラーメン屋が開店した。
 その名も「日本一美味いラーメン屋」。
 客は「日本一美味いラーメン屋」に流れた。
 最初からやっていたラーメン屋のオヤジは困ってしまった。
 そうこうするうちに、今度は左隣に「世界一美味いラーメン屋」ができた。
 今度は、客はそちらに流れた。
 最初からやっていたラーメン屋のオヤジはいよいよ困ってしまって、いろいろ思案した。
 そして、ある日、いいことを思いついた。
 看板を張り出すことにしたのだ。
 「入口は、こちら。」と・・・客は戻ってきた。

 まあ、実際の社会でこんなことが通用するわけではないが、どんな仕事をしていても、工夫が必要だ。
 工夫もせずに、同じことをして、たくさん儲けようとするのは虫が良すぎる。
 商売であれば、お客様を喜ばせる工夫が必要なのだ。
 それが、できないなら、そこそこの収入で我慢して、その収入に見合った生活をすれば良い。
 そして、商売だけに言えることでなく毎日の生活も同じだと思う。工夫して生きていると、それだけで楽しくなってくることが多い。
 最後は、その人の人生観に大きくかかわってくると思うが、成功失敗はともかく、工夫する喜びに毎日浸りながら生活していきたいものだ。